国鉄では古く明治の時代より等級制が導入され、客車も1等・2等・3等の3種に区分されていました。そのうち昭和期の2等車は、ゆったりした固定クロスシートまたは転換式座席が標準でしたが、戦後にリクライニングシートを備えた「特別2等車」(特ロ)が製造されたことから、これまでの2等車は「普通2等車」(並ロ)と呼ばれ、料金で差を付けられました。特ロに比べて地味な存在ではあったものの、昭和30年代までは全国の長距離鈍行に組み込まれて活躍しました。
本書では昭和初期以降に登場した鋼製客車の並ロ各形式をまとめ、その形態と果たした役割を解説します。