昭和初期に日本車輌が設計・製造した一連の私鉄向き標準設計電車は、各地の地方私鉄だけでなく、後に大手私鉄となる私鉄各社にも導入されました。特に小田急電鉄の前身・小田原急行鉄道には30両が導入され主力車として活躍したほか、近鉄志摩線の前身である志摩電気鉄道、西鉄貝塚線の前身・博多湾鉄道汽船などにも導入され、1970年代頃まで残存していました。本書では上記のほか神戸有馬電気鉄道(現・神戸電鉄)や広浜鉄道(現・JR可部線)など、西日本地区に導入された標準設計電車を含め解説します。