1959年、首都圏と国際的観光地・日光を結ぶための準急用電車として開発されたのが157系電車である。当時から並行路線としてライバルの関係であった東武鉄道との競合を意識し、当時の急行形電車を上回る豪華な車内設備と特急形電車を思わせる外観で注目を集め、準急「日光」のほか特急「ひびき」などにも使用された。
しかし冷房改造後も存置された下降式の開閉窓がネックとなり車体の腐食が進んだことから、1976年には定期運用から退き、短命な生涯を終えた。本書では薄命のデラックス電車157系について、貴賓車両クロ157も含め図面や写真などで紹介する。