既に280号を超える長い歴史の「RM LIBRARY」から、過去の傑作巻を2~3冊分まとめて復刻する「RM Re-Library(アールエム リ・ライブラリー)」。シリーズ24巻目は、RMライブラリー第11・12巻から「国鉄輸入電機の系譜」(吉川文夫 著)を復刻いたします。 国鉄の幹線電化は信越本線碓氷峠のアプト区間から始まりましたが、本書はアプト式電機については対象外とし、東海道本線東京~国府津および横須賀線大船~横須賀間が電化された際に欧米各国から少数ずつ輸入された機関車から解説を始めます。大きく分けると3次にわたって輸入された電気機関車ですが、1次グループはアメリカ、スイス、イギリスから1形式に付き2輌ずつという少数を輸入。2次グループでは一変してすべてイギリス製となり、丹那トンネル開通を控えた3次グループではアメリカをメインとして変わり種のスイス製が加わったという陣容でした。これ以外に、メーカーが独自に輸入したものを国鉄に編入したED56・57という少数派がおり、それぞれ年月を経て日本の技術の導入がなされ、また運用方法の変更に伴い改造なども加えられています。 本書ではこれらのお国柄にあふれた魅力的な初期電機たちを豊富な写真で紹介します(なお、私鉄買収機は対象外、既刊の『私鉄買収電機の系譜』参照)。私鉄に譲渡されて長命を保ったものもおり、比較的若い方にもなじみがある機関車が含まれているのも面白いところでしょう。