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既に270号を超える長い歴史の「RM LIBRARY」から、過去の傑作巻を2~3冊分まとめて復刻する「RM Re-Library(アールエム リ・ライブラリー)」。シリーズ11巻目は、前巻10巻につづき、異テーマの2冊を合本化しました。 共通点をそのまま書名とした「21世紀まで生き延びた茨城のローカル私鉄」とし、日立電鉄と鹿島鉄道という比較的知名度の高い鉄道会社2社を取り上げます。初出はRMライブラリーの第64巻(白土貞夫・著)と106巻(白土貞夫・中川浩一・共著)となります。 日立電鉄はその起源を常北電気鉄道といい、戦前に大甕~常北太田間を開通させました。当初から電化されており、2軸のポールカーなどが当初は活躍。戦後に大甕~鮎川間が開通し、戦後復興期には工場への通勤客などでラッシュ時には名物の4両編成を走らせていたことなどで知られました。車両も様々な来歴を持つ個性豊かな電車が集結し、知れば知るほど興味深い鉄道の一つと言えました。最晩年は元営団地下鉄2000系に車両が統一されて近代化がなされましたが、2004年3月限りにて廃止となりました。 鹿島鉄道はその起源を鹿島参宮鉄道といい、霞ヶ浦の水運と併せて鹿島神宮への参拝客輸送を目論んだ鉄道でした。しかし実際にはそのルートが実用的に普及したことはなく、もっぱら沿線の地域輸送に勤しんだ鉄道というのが実態です。戦時中に龍崎鉄道(現・関東鉄道龍ヶ崎線)を統合、1965年には関東鉄道との合併で同社鉾田線となり、1979年には再度分離されて鹿島鉄道…という歴史を辿りました。2007年3月限りで廃止となりましたが、最末期までキハ07改造車が活躍するなど、車両面でのバラエティが豊かだったことも特筆されます。 本書では、2つの独特な鉄道の来歴、施設、歴代の車輌などについて、豊富な一次資料も用いて徹底的に解説。決定版と言って良い内容となっております。