既に290号を超える長い歴史の「RM LIBRARY」から、過去の傑作巻を2~3冊分まとめて復刻する「RM Re-Library(アールエム リ・ライブラリー)」。シリーズ30巻目は、RMライブラリー第16巻「B6回顧録(国鉄編)」と第17巻「B6回顧録(私鉄・専用鉄道・専用線編)」(共に瀬古龍雄 著)を復刻いたします。
鉄道作業局形式B6は、後の国鉄形式2100・2120・2400・2500に分類された車軸配置C1のCタンク機。勾配線区用強力機という位置づけで原形はイギリス製の機関車ですが、一部は国産でも製造され、また日露戦争時に大量に必要とされたことからドイツ、アメリカにも同形機が発注され、500両を超える両数が誕生。これは同時期の蒸機としては圧倒的な両数であり、結果的に入換用などとして戦後昭和30年代初頭まで国鉄線上にありました。また多数が私鉄、専用鉄道、専用線に払い下げられて最長で昭和40年代後半まで生き延びました。
本書は「国鉄時代」と「私鉄・専用鉄道・専用線時代」の二部構成で、前者では戦前時代の概説に始まり各形式の解説、3500、2500、2700、2900といった改造機や、ボイラーだけを利用した暖房車マヌ34形までを紹介。形態に着目した章はモデラ―にも参考になるでしょう。後者ではおよそ30に及ぶ事業者のB6を紹介しており、その来歴、形態的特徴、その後の経緯などについてまとめてあります。
豊富な写真・図版も収録されており、まさに決定版となる一冊です。