既に280号を超える長い歴史の「RM LIBRARY」から、過去の傑作巻を2~3冊分まとめて復刻する「RM Re-Library(アールエム リ・ライブラリー)」。シリーズ21巻目は、RMライブラリー第73・74巻から「上田丸子電鉄」(宮田道一・諸河 久 著)を復刻いたします。 上田丸子電鉄は丸子鉄道と上田電鉄(旧上田温泉電軌)が戦時中に合併してできた社名です。合併後、旧丸子鉄道の路線は同社丸子線となり、信越本線大屋から丸子町を結んでいました。本書前半では、1969年に廃止された同線の車両・施設などを取り上げます。 本書後半では旧上田電鉄の路線、すなわち別所線、真田傍陽(そえひ)線、西丸子線を取り上げます。別所線は現在も新生上田電鉄別所線として健在で、信越本線上田から別所温泉までを結ぶ路線。真田傍陽線は同じ上田から東北方向に路線を伸ばして真田・傍陽に至る路線で、1972年に廃止。西丸子線は別所線下之郷から西丸子を結ぶ支線で1963年に廃止となっています。 性質が少しずつ異なる4つの路線には好ましい外観の電車や電機機関車が集まり、ファン的に見て無粋な近代化改造がほとんど行われなかったこともあり、まるで模型世界のような地方私鉄のある意味理想郷が展開されていたと言っても過言ではありません。 本書では複雑な車両履歴を明らかにすると同時に施設や沿線の情景も盛り込んで最盛期の上田丸子の姿を詳細に誌面に再現しています。