雪国の鉄道を守る役目を担い、鉄道のみならず地域のためにも欠かすことができない鉄道除雪車。1960年代以前の鉄道除雪車は「雪かき車」と呼ばれる貨車に分類され、ラッセル車・ロータリー車・ジョルダン車・マックレー車といった単独機能の「雪かき車」を蒸気機関車などの動力源と組み合わせることで、それぞれの役割を果たしていました。一方動力近代化の波の訪れとともに、ディーゼル機関車や軌道モータカーと融合した「除雪車」が1960年代以降に急速に進化し、ディーゼル除雪機関車やより簡易な除雪モータカー、そして本線除雪後や駅構内に堆積した側雪を切り崩す「側雪処理機」などが開発され、積雪状況に応じて組み合わせるようになりました。本書では除雪車の役割や仕組みを紹介、過去のエポックメーキングとなった除雪車両を各種紹介しながら、その近代化の経緯を解説します。■掲載内容1.近代化以前の除雪方法 1.1 本線除雪の手法と雪かき車 1.2 構内除雪の手法と雪捨作業2.留萠鉄道による除雪機関車導入 2.1 留萠鉄道が置かれた状況 2.2 三和興業によるロータリー除雪装置の開発 2.3 留萠鉄道D.R.101CL形 2.4 北海道拓殖鉄道D.R.202CL形と東北電気製鉄DC2302形3.国鉄による除雪車開発のはじまり4.除雪モータカーの開発 4.1 軌道モータカーの大型化とモータカーラッセルの登場 4.2 国鉄と新潟鐵工所によるモータカーロータリーの開発5.国鉄によるディーゼル除雪機関車の開発 5.1 DD14形式の開発 5.2 DD14形式の完成・DD53形式の登場 5.3 ラッセル除雪機関車の開発Column 1 ロータリー除雪装置の方式Column 2 除雪機付入換動車Column 3 側雪処理機・オンレール側雪処理機