鉄道貨物の全盛期であった1960年代までは、大手・中小を問わず全国各地の私鉄で貨物営業が行われ、あらゆる物資が鉄道で運ばれていました。各鉄道では貨物列車の牽引用として電気機関車やディーゼル機関車を所持していましたが、道路網の整備によりトラックが貨物輸送の主役になったことから、国鉄のみならず各私鉄でも貨物輸送を縮小あるいは廃止する鉄道が相次ぎました。今から30年前の1993年4月時点で貨物営業を行っていた電化私鉄は全国で8社でありましたが、30年を経過し秩父鉄道、黒部峡谷鉄道、三岐鉄道のわずか3社まで減少しました。本書下巻ではそのうち黒部峡谷鉄道、三岐鉄道をはじめ、貨物輸送以外の用途で残る車両も含め、この30年の間に在籍した西日本地区の私鉄電気機関車について紹介します。掲載される鉄道は岳南電車、大井川鐵道(大井川本線・井川線)、遠州鉄道、豊橋鉄道、名古屋鉄道、黒部峡谷鉄道、富山地方鉄道、北陸鉄道、えちぜん鉄道(←京福電気鉄道)、福井鉄道、三岐鉄道、近江鉄道、近畿日本鉄道、神戸電鉄の計14社です。