筑波鉄道は、国有化された常磐線と水戸線を連絡することで茨城県筑波・真壁地方の交通の便を図るべく、1918(大正7)年4月17日に土浦~筑波間が蒸気動力の鉄道(軌間:1,067mm)で開業、同年9月7日には土浦~岩瀬間の全線が開業した。1937(昭和12)年より内燃動力併用を開始、戦時中に常総鉄道に合併されて常総筑波鉄道筑波線となった。
1960年頃の最盛期には土浦~筑波間の急行運行や社線車両の小山乗り入れ(水戸線経由)が行われたほか、行楽シーズンには上野(土浦経由)や日立(岩瀬経由)から国鉄客車が筑波に乗り入れてきた。
1965(昭和40)年に同じ京成系の鹿島参宮鉄道と合併して関東鉄道筑波線となり、1979(昭和54)年には鉾田線とともに筑波線が別会社に分離されて筑波鉄道(二代目)となったが、1987(昭和62)年3月末日限りで全廃となった。上巻では路線の成り立ちを中心に解説、また下巻では各駅の様子や歴代の車両を中心に解説する。