江若(こうじゃく)鉄道は滋賀県の琵琶湖西岸に沿い、浜大津~近江今津間51kmを結んでいた非電化私鉄(軌間1,067mm)である。1921(大正10)年の開業当初は蒸気機関車による運転であったが、昭和初期には当時の最新技術を使ったガソリンカー・ディーゼルカーをいち早く投入、「東の関東鉄道、西の江若鉄道」と呼ばれる気動車大国として知られていた。また、夏場は琵琶湖の湖水浴客輸送で賑わい、通常の気動車列車のほか客車列車も運行されていた。
本書下巻では創業時から1969(昭和44)年の廃線時まで、江若鉄道に在籍した車両(蒸気機関車・気動車・客車・貨車)について紹介する。