第二次大戦後、海外からのライセンス生産によるエンジンを搭載した電気式からスタートした国鉄のディーゼル機関車だが、その一方で戦前からの技術をベースとした国産エンジンの研究も進められた。その結果、開発された新系列エンジンDMF31Sを持って1958(昭和33)年に登場した液体式ディーゼル機関車がDD13形である。入換を主目的としながらある程度の本線での運用も視野に入れて製作されたこの機関車は、以後、約10年間にわたって改良を重ねつつ日本全国に配置され、その総数は実に416輌に達したのである。
本書ではこの国鉄DD13形について、その開発の経緯から概要、製作次数別の変化、そしてその後の改造までを3分冊でまとめる。
上巻では、DD13が登場した時代背景から紐解き、設計上の概要、製造実績、製作会社などの全体像を解説したうえで、1~110号機のいわゆる弱馬力型について、1~6次の製作次数別に紹介する。
中・下巻では111号機以降の強馬力型(7~19´次車)について紹介するとともに、DD13を研究するうえで焦点となる「寒地型」に関する問題と、後天的な改造、そして使用線区や使用状況について解説する。