今でこそ東北・北海道新幹線で結ばれるようになった東京~北海道間だが、昭和30年代初頭までは蒸気機関車が牽く急行列車が、青函連絡船を介して運転されるのみであった。その北海道連絡のため、東北地方で最初の特急列車として誕生したのが、上野~青森間特急「はつかり」である。1958(昭和33)年にC62形蒸気機関車が牽引する客車列車として誕生したこの列車は、その後、ディーゼル特急、電車特急と変化を続け、運転本数も増えて行った。東北新幹線盛岡開業後は盛岡~青森間の新幹線連絡特急に姿を変え、さらに青函トンネル開通によって函館へも乗り入れを果たしたのである。 一方、「はつかり」誕生から6年後の1964(昭和39)年には東北地方初の寝台特急「はくつる」が運転開始。こちらは車輌を変えつつも、運転区間は変わることなく、2002(平成14)年の東北新幹線八戸開業まで、38年間に渡って上野~青森間を走り続けた。 本書では、これら2つの、「東北地方初の特急列車」の運転史を通観する。