本書は国鉄に在籍した無蓋車のうち、1907(明治40)年の鉄道国有化以降、国鉄自らが設計した量産形式について、その発達の系譜を上下2巻にまとめたものである。紙幅の制約から買収私鉄からの引継車や物資別適合貨車(特定積荷用の無蓋車)は扱わないが、鉄道国有化以前の官鉄・私鉄からの引継車および制式から派生した海外向形式で国内に残置されたものは掲載対象としている。
上巻では、第1章として無蓋車を理解するための共通知識を取り上げ、第2章はト(荷重13 トン以下の無蓋車)、第3章はトム(荷重14 ~ 16 トンの無蓋車)、そして第4章はトラ(荷重17 ~ 19 トンの無蓋車)のうち、戦中期までのものを形式単位として解説する。
【目次項目】
はじめに
1.序論
1.1 本書が取上げる範囲
1.2 「大改番」とは
1.3 荷重の標記
1.4 国鉄貨車の海外供出
1.5 戦時増積
1.6 私鉄買収車の運用制限
1.7 戦災貨車の復旧と復元
2.ト
ト1形(初代)・3600 形・3750 形・4000 形・4300 形・4500 形・4700 形・4900 形・6000 形・9800形(初代)・9900 形・10000 形・10200 形・10300 形・10800 形・11000 形・11400 形・11500 形・13600 形・20000 形・ト1形(二代)
3.トム
トム1形・5000形・16000形・19000 形・39000 形・11000 形・50000 形・150000 形・25000 形・4500 形・50000 形・60000 形
4.トラ
トラ1形・4000 形・5000 形・6000 形・16000 形・20000 形・23000 形
終わりに