北陸鉄道小松線は、当時の国鉄小松駅の裏手から平坦な地形をほぼ一直線に進んで、5.9km先の鵜川遊泉寺(うがわゆうせんじ)に至る鉄道であった。明治後期から大正年間にかけては当時盛業であった遊泉寺銅山に専用鉄道が通じていたが、大正末期にその鉄道の路盤を利用して小松から金名鉄道(後の北陸鉄道金名線)釜清水に至る白山電気鉄道が計画され、1929(昭和4)年5月15日に小松~遊泉寺(後の鵜川遊泉寺)間が開業した。戦後は北陸鉄道小松線となり、能美線加賀佐野への延伸計画もあったが実現せず、1967(昭和42)年度をピークに乗客の減少が止まらないことから1986(昭和61)年5月31日限りで廃線となった。
はじめに 2
1.開業前史 4(1)遊泉寺銅山 4(2)遊泉寺銅山専用鉄道 52.白山電気鉄道開業 7(1)白山鉄道を発起 7(2)白山鉄道免許 8(3)白山電気鉄道株式会社設立 12(4)本線延伸の免許 13(5)工事施工と原~中ノ峠間免許失効 14(6)開業後の苦境 193.未成線廃止後に社名変更 22(1)遊泉寺~原間起業廃止 22(2)遊泉寺~大谷間免許失効 23(3)小松電気鉄道に社名変更 254.北陸鉄道小松線 28(1)北陸鉄道に営業譲渡 28(2)加賀佐野~鵜川遊泉寺間免許 29(3)利用客が急増 335.出会いから今日まで 34(1)最初の訪問 34(2)営業最終日の訪問 37(3)現在の小松線廃線跡 376.施設・駅 387.車輌 40
輸送量および収入の推移/小松線車輌履歴表 46おわりに 48