特急「白鳥」は1961(昭和36)年10月から2001(平成13)年3月まで大阪~青森間を北陸本線経由で結んだ特急列車です。1052.9km(運転開始当初)という運転距離は、日本における昼行の在来線特急列車としては最長距離でした。当初、「白鳥」は気動車による運転であり、大阪~青森間とともに大阪~上野間でも運転され、大阪~直江津間では両列車を連結するという運行形態でしたが、上野発着の編成は1965(昭和40)年10月に上野~金沢間の「はくたか」として分離されました。1972(昭和47)年には「白鳥」の運転区間全線の電化が完成、以後、2001(平成13)年3月に姿を消すまで485系電車で運行されました。また、2002(平成14)年12月の東北新幹線八戸開業から2016(平成28)年3月の北海道新幹線開業までは、本州と函館の間を結ぶ新幹線連絡特急が「白鳥」の愛称で運転されました。本書では大阪~青森間での運転史を中心に、特急「白鳥」のあゆみを振り返ります。