鉄道模型界で「工作離れ」が進んでいると言われてすでに数十年。ことNゲージにおいては続々とあらゆる種類の車輌が毎月製品化されており、「欲しい車種は持っていればいつか発売される」という、現在では当たり前となった考えが、キット製作や改造工作を行なう理由やモチベーションの希薄を招いているのも事実です。しかしながら、完成品といえどもユーザー選択・取付用としてパーツが付属していることは珍しくありません。多くの場合、完成品でも走行させる前に最小限の工作が必要であり、そのための工具は不可欠となります。他のジャンルに比べても精巧で小さなパーツが多いため、使う工具もそのパーツに合ったものを選択して用意する必要がありますが、正しい情報がないため、つい安価な工具を使いがちです。今回の特集では、そんな「工具」に注目しました。鉄道模型に好適な工具とは…「キット製作は鉄道模型の王道」とか、「自作最強」といった過去のスローガンを盾にするのではなく、完成品主体となった今こそ、本当に必要な正しい情報・技術・知識をユーザーにぜひ知っていただければ幸いです。
★まだまだあります今週のみどころ
●PREMIUM REVIEW 常磐線長距離列車の「国鉄時代」前編 KATOより1960年代中期の常磐線を題材にした製品が相次いで発売されています。今回はこれらをひとまとめにして、同時代の同線区をリアルかつ味付けを付加した再現をコンセプトに、車番や時代によって異なる細部の違い、考証により製品と異なる部分の補正を中心にディテールアップを行ないました。車輌はC62常磐形〈ゆうづる〉牽引機、EF80一次型(ヒサシなし)、43系急行〈みちのく〉の3種です。
●ヨコハマ鉄道模型フェスタ 鉄道模型界に春を告げるイベントとなった、ヨコハマ鉄道模型フェスタ。今年も鉄道模型メーカーと鉄道事業者が中心となってブースを展開し、発売予定品の展示やグッズ販売などが行なわれました。本誌では各ブースイチオシの販売品紹介及び会場で発表・展示されたメーカー新製品の数々を紹介します。
●ジオコレプラス 鉄コレ大阪市交通局50系本誌284号以来1年ぶりの掲載となるジオコレプラス。今回は鉄コレのオープン販売製品として、谷町線・千日前線の2種が発売された大阪市営地下鉄50系の、2人の作者によるグレードアップ及び異編成化といった加工作例を紹介します。