1989年夏、GT-Rが16年ぶりの復活を果たした。そのスーパーヒーローの登場に、各模型&ミニカーメーカーが一獲千金の夢を託して、同車をモチーフにした製品を一斉にリリース。1/24プラモデルではタミヤ、フジミ、アオシマが競作となり、それらは今も各社の人気商品として健在だ。そんな中、第4となる1/24スケールのR32 GT-Rがハセガワからリリースされたのが2020年末のことである。タミヤとフジミとアオシマがおよそ30年前にR32 GT-Rのプラモデルをリリースした時は当然ながら当時の最新型車をモチーフとしたわけだが、ハセガワは同社のヒストリックカーシリーズの一環としてR32 GT-Rを発売したことに月日の流れを感じさせる。
またその30年の間に、プラモデルを取り巻く価値観も大きく変わり、かつてはデフォルメが当たり前、というよりもデフォルメのセンスが原型設計者腕の見せ所ともされたが、昨今では3Dスキャン技術の進化と共に、実車の印象をいかに客観的にミニチュア化するか、ということに価値が見いだされるようになりつつある。そう聞くと、古い設計の製品の存在意義が失われるように思えるが、実際のところはそうではなく、最新のデジタル設計を凌ぐ“何か”を漂わせるキットも多々存在する。だからプラモデルは面白いのである。
今回の特集では、4メーカーのR32 GT-R Gr.A仕様を並べたが、それは決して比較するためではなく、読者諸兄に先に述べた“何か”を感じ取っていただきたいという想いからである。そして1/24以外にもフジミの1/12、ROSSOの1/43、そして貴重な非GT-R系のR32のプラモデルであるアオシマの4ドアスポーツセダンに至るまで、 R32プラモデルの魅力にどっぷりと浸っていただければ幸いである。
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