Kinfolkの秋号のテーマは“食事をわかちあうこと”。人生における最もシンプルな楽しみのひとつです。事前に予約したテーブルであっても、ひとつのパンを半分に分けただけでも、誰かと一緒に食事をするという行為は、充実した生活の大切な要素です。食事をともにするのはベッドをともにするよりもっと親密だとも言える、という有名な言葉を美食作家のM.F.K. フィッシャーは残しています。人間関係を形成し維持する食の役割。美術史、政治史の中の食の立場。そして現代文化におけるインフルエンサーと食の重要な関係性。こういったことを今号で探求します。南部料理の女王と呼ばれるシェフを訪ねたり、ダリが執筆とイラストを手がけたシュールな料理本をめくってみたり、M.F.K. フィッシャーによるつましい食事への喜びについて改めて思いを巡らせたりします。
<ハイライト>・ミュージシャンで女優のローラ・カークの世界をのぞく・南部料理のシェフ、エドナ・ルイスのカリスマ性とキャリアにスポットライトを当てる・マーサ・スチュワートの原点を探るインタビュー・ナルシシズムに関する長いエッセイ・野菜とフルーツとファッションを融合させたファッション撮影・デュオ・グループIbeyiのフランス系キューバ人の双子姉妹、リサ=カインデとナオミ・ディアスのインタビュー・作曲家のティモ・アンドレとフィルムメーカーのインタビュー・その他、目にも見事な日本の食品包装術、イギリス人画家ブリジット・ライリーによる目の錯覚など