メカニズム視点でまとめた「トヨタ2000GT」の書籍です。エンジン/トランスミッション/フレームなど、その実態を2年間にわたるフルレストアの詳細な記録から検証。部品単位で克明に分析/紹介しています。わずか337台しか製作されなかったにも拘わらず、M-B型をベースにしながらもDOHC化した3M型エンジンにはオイルポンプの仕様により3タイプ、トランスミッションもギヤ比が異なる2タイプ、ディファレンシャル機構はB180/200型の2タイプが存在します。キャブレターもソレックスの2型が前期、後期には3型が装着されているといった具合です。スタイリング、駆動系も同様に前期/後期タイプで違いは多数あります。それらを詳細に調査してまとめた一冊です。【CONTENTS】X 型バックボーンフレーム 高剛性セミモノコックボディドアを開け、閉めた その瞬間から感じられる比類なき“ 上質感"2000GT 誕生物語No.1日本グランプリの完全な大勝と完膚なきまでの惜敗がトヨタ自動車に本格的なGT カーの生産を決意させた2000GT 誕生物語No.2A550X がトヨタ2000GT のルーツとする説は時制が合わない基本コンセプトはA550X を見る前にすでに決まっていた2000GT 誕生物語No.3あまりに完成度の高い高級スポーツカーだった故にル・マン挑戦の最終目標まで辿りつかずに終わってしまった駆動系パーツが現代の設計/ 加工技術で復活3M 型エンジン概説3M 型エンジンパワーコンポーネンツを観察するCYLINDER HEADシリンダーヘッド上部に設置された冷却水のアウトレットパイプエンジンを構成する補器類でもっともライフが短いパーツ全面機械加工された燃焼室とエアフローを考慮したシートカット面エアフローよりバルブフェース径を広く取ることが優先項目振動制御を考慮したテンションギヤの配置と潤滑性能向上とオイルクーラーの標準装備とポンプドライブ/ ドリブンギヤの潤滑オイルポンプをシリンダー内に収めるか外部装着するかで迷った軌跡斜め割り型故の特徴あるコンロッドメタルと新設計のピストンジャーナル&ピン径の太さが魅力だがM 型と3M 型は同じもの2 接点式3 山カム → 1 接点式6 山カムへの先祖返りは実情の反映装着キャブレターはソレックスの2 型だが後期には3 型へと進化前後のハウジングは新設計でT/M ケースは“ 小型トラック" から流用エンジンは流用だがクラッチシステムは新規設計/ 製作パーツMF10型 懸架/ 操縦/ 制動の構成パーツを観察するX 型バックボーンフレームはエランに酷似するがリアセクションは独自性が強いチャップマンストラットではなくリアはダブルウィッシュボーンフローティングマウントと独特のリミテッドスリップ機構前後期でブースターが異なるうえに後期型はPCV を装備する下部はユニバーサルジョイント、上部はトラニオン型ジョイントX 型バックボーンフレームがなくても成立するくらいの、前後のボディ剛性を確保MF10型フルレストアの記録ボディ底面部位とセンタートンネルの赤錆の侵食は酷いものサンドブラストで塗膜を剥ぐとサイドシルも要成形鈑金部位フロアパネルとセンタートンネル下部も要成形鈑金だった一般的な修理鈑金と違うから中間パテで多くの面を創出作業は中間パテ盛り/ 研磨から仕上げパテ/ 研磨へと進んでいく鈑金作業に費やした時間とコストに比べれば塗装は……現役時代を知るジャーナリストが綴った2000GT への想い現役時代を知るメカニックが語る“2000GT" 修理の思い出現代の設計/ 加工技術で復刻された駆動系パーツの詳細 ~トランスミッション~現代の設計/ 加工技術で復刻された駆動系パーツの詳細 ~ディファレンシャルギヤ~TOYOTA 2000GT MF10type Technical data