Blue.が最初にミッドレングスを大特集したのは、2012年(34号)。ちょうど10年前になる。当時、このカテゴリーはファンボードという呼び名が大勢を占めており、その心地いいネーミングとは裏腹に、ひよっこが乗るボードという不思議な偏見がまとわりついていた。その状況が少しでも変わればと、以来Blue.はこのカテゴリーをミッドレングスという呼称で一貫してきたという裏話がある。同時に、世界にはこのレングスの大いなる可能性に気づいている才能あるサーファーやシェイパーがあちこちにいて、彼らのデザイン・エクスペリエンスと共にミッドレングスの存在感は日に日に高まっていった。今ではすっかりレングスが生む偏見は埋まりつつあり、ミッドレングスはあらゆる波に対応し、あらゆるレベルのサーファーに愛されながら、カテゴリーレスで「サーフィン」を愛せるオルタナティブボードの中核となっている。競技という枠組みに収まることもないから、デザインも乗り方も圧倒的に自由。同じボードでも、ショートボーダーとロングボーダーが乗るとアプローチがまったく変わるのも楽しい。あれから10年、優れた才能たちと共にさらなる飛躍を遂げてきたミッドレングスに再び光を当て、その魅力をたっぷり再考してみようじゃないか。