仲間とひとつの波に乗るシェアライド、またはシェアウェーブって、じつはけっこう奥が深い。相手のことを思いやりながら自分らしいラインを描き、波という刹那を分かち合うのだから。より楽しく仲間と交わるためにはやっぱり基礎はたいせつで、日々、自分自身を磨いておいたほうが“そのとき”はきっと豊かなものになるだろう。体、技術、もちろん、こころも。そのうえで、導かれるラインは波や相手によって変わるんだ。「語り合う」という行為も、つまりそういうことだよね。ビッグウェーブ、トリムの秘密、和製フリーサーファー待望論など、7つのテーマについてじっくり語り合ってもらったトークセッション。大野修聖さんと瀬筒雄太さんが「トリム」というたった一言について深く長く語り合えるのは、ふたりがそれだけ自分を磨きつづけてきたからだ。写真家の横山泰介さんは「写真は歴史を一瞬止める」と語った。素敵だなぁ、みんな。そして、おもしろいし、深い。正解を導きたいんじゃない。交わりあい、高めあい、響きあい、ゆたかな時間を過ごしたいんだ。そのひとつひとつがきっと、未来へつながるちいさなちいさな種なんだと思う。語り合おうよ、サーフィンのこと。未来のこと!
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さらに今号は、ジェリー・ロペスが息子であるアレックスとの関係を自らつづってくれた特別なアーティクルも。神様と称えられる稀代のレジェンドが、ひとりの父親としての等身大の気持ちを寄せてくれました。アレックスのインタビューとともに、すべてのサーファーに捧げたい愛あふれる16ページです。
特別付録は年に一度のスペシャル企画、RHC ロンハーマンとのコラボカレンダー。今年のビジュアルはカリフォルニアのフォトグラファー、ウィル・アドラーです。巻頭グラビアともどもお楽しみください。