たくさんのかっこいいサーファーと出会ってきた。ユニークなサーファーにも。心に残っているサーファーたちは、みんなサーフィンが大好きで、自分なりの理想を追いかけていた。たまには競うこともあるけれど、いちばん大切なのは点数じゃない。勝ち負けでもない。求めているのは通り一辺倒なラインじゃなくて、サーファーとして、自分が自分らしくあることだ。楽しみながら、愛しながら、いっぱい失敗しながらさ。ねぇ、パパ、親父、お父さん。僕たちの理想の在り方も、同じじゃない? 僕たちはサーファーだ。そのサーフィンから、父親として忘れちゃいけないことを、自然に教わっているんじゃないかな。僕たちはサーファーだから、自分らしくあるために、やっぱりサーフィンがしたい。いろんなサーフボードで、いろんな波に乗りたい。冬はウエットスーツがないと海に行けない。たまに夢中になりすぎて、怒られちゃうときもある。愛するわが子よ、ごめん。父ちゃんはちっとも完璧な人間なんかじゃないんだ。ここだけの話、そうなりたいとも思ってない。「父ちゃん、かっこいい!」って言われてみたいけど、それはたまにでいいかな。それより一緒に遊ぼうぜ。学ぼうぜ。笑うときも、泣くときもきみと一緒だ。で、たまーに「父ちゃん、最高!」って思ってくれたら、父ちゃんうれしいよ。ありがとう、きみのおかげでお母さんと父ちゃんは“世界でひとり”になれたんだ。きみもそうだよ。僕たちにとって、きみは世界でひとり。いつか知って欲しいな。それが、奇跡だってことを。