1969年。ウッドストック・フェスティバルに40万人もの若者が押し寄せ、伝説となった。自由という言葉にひそむ刃を描いた映画『イージーライダー』が公開されたのもこの年だ。自動車は馬力競争が激化し、マッスルカ―が全盛を迎えようとしていた。その流れは時期も性格も“ショートボード革命”と酷似する。ちょっと前までアイビー・ファッションに身を固め、ロングボードを愛していたサーファーたちは、わずかな年月で長髪にヒゲ、ヒッピー然としたルックスに変わり、サーフボードを過激なまでに短くし、パフォーマンスを追い求めた。愛すべきキャラクター“マーフィー”を描いたリック・グリフィンは、時勢とともに作風を変え、サイケデリック・アートの旗手と呼ばれるようになる。音楽、ファッション、サーフィン……歴史上、こんなにも激しくユースカルチャーが動いた時代はない。2018年1月10日発売のBlue.は、そんな「1969」をピークとする'60年代の流れをサーファー目線で見つめた69号記念特集! いま私たちがファッションとして見つめがちなラブ&ピースとは、カウンターカルチャーとはいったい何だったのか? 当時を知らない私たちは、そこからなにを学ぶのか? 1967年に端を発し、1969年をピークとするショートボード革命から50年。今日へとつづくサーフシーンにあまりにも大きなインパクトを残した、若者たちの熱狂をあらためて感じたい。