仕事とサーフィンみんなのバランス
サーファーは波に乗るという接点を介して、さまざまな世界に生きる人々とつながりあう。サーフィンがなければ出会えなかったであろう友人たち。ひと口にサーファーと言っても、海で会う時間以外は皆それぞれの生業に多くを捧げている。サーフィンは純粋な楽しみとして情熱を注げるが、仕事はそうもいかない。苦労なき仕事なんてないに等しく、簡単に放り出すこともできない。その道のりがサーフィンとは異なるベクトルで人を成長させ、解き放たれた海でのピュアな時間や出会いが何より愛おしいのだ。というわけで、Blue.101号のテーマは「仕事」。サーフィンが大好きなのはみんな一緒。でも、仕事に対する考え方はそれぞれ。仕事を愛している人もいれば、愛はなくとも家族のために必死で頑張っている人もいる。どちらもかっこいい生き方だ。いずれにおいても、ひとりの人間として魅力的なサーファーは、きっと海で得た学びを、海にいない時間でも活かしているはずだ。そして特集の軸がもうひとつ。今回は「働く」ことに高い意識をもつプロサーファーにも話を伺っている。賞金やスポンサーフィーで潤沢な稼ぎを得るのがまだまだ難しい環境において、プロフェッショナルとして食べていくこと。その考えや背中を後進や未来のプロサーファーたちに示し、私たち一般サーファーが理解すること。その積み重ねがすこしずつでもサーフィンの前進につながればと思う。サーフィンの土壌を支えているのは、あらゆる職に広がり根を張っている、私たち一般サーファーでもあるのだから。