津軽鉄道は、青森県の津軽半島を南北に縦断する日本最北端の民営鉄道である。陸奥鉄道(現在のJR五能線)の五所川原駅を起点に、津軽中里までの20.7kmが1930(昭和5)年11月に全通した。小説家・太宰 治の出身地である金木町のほか、桜の名所である芦野公園が沿線にあることから、観光客輸送にも力を入れており、冬季には客室にストーブを備えた「ストーブ列車」を運行するなど、津軽地方の冬の寒さを逆手に取った集客を行っている。本書では特徴ある同鉄道の歴史と現況を、豊富な写真とともに解説する。