戦前、拡大する東京~大阪間の旅客需要に応えるため、時の鉄道省は、東海道本線における旅客列車の増発を計画しました。この増発のため従来のEF56形電気機関車に対し、出力を増加させる形で1940年に完成したのがEF57です。 その出で立ちは、2号機以降に新しい設計が顕著に表れ、天井についた抵抗器のための排熱装置が屋根各所に付き、パンタグラフは車体外寄りに取り付けられ(これは戦後の増備時にさらに車体よりも突き出した姿となる)、角の立った車体もあって、いずれも勇猛果敢な印象の強い外観の仕上がりとなり、デッキ付き電気機関車の最高傑作とまで謡われました。 戦後、東海道本線から、上越線へと活躍の場を移し、さらに1960年代には東北本線へと転出、同線の優等列車から普通列車まで幅広く牽引しました。 本書は、登場の経緯から各線での活躍や出来事などを紹介。年代ごとの各部、ディテールの変遷。主だった列車編成。そして唯一の保存機である宇都宮駅東公園7号機を宇都宮市の特別許可により、車内や屋上、床下などのディテールを取材。またとない資料となっています。