明治32年、西暦1899年に、森永太一郎氏が看板を掲げた「森永西洋菓子製造所」。アメリカでの11年に及ぶ洋菓子修行ののち、氏が35歳でスタートしたこの工場が、今日の森永製菓の礎となった。この本は、創業から残る当時の写真やパッケージ、太一郎氏の愛用品などのアーカイブを資料室の古いアルバムなどをひとつひとつ紐解き、VINTAGE LIFE編集部が戦後復興までの時代を一旦の区切りとして、まとめさせていただいたものである。アナログで、人間らしく、活気に満ち溢れ、飛行機が飛ぶだけで、大騒ぎになる時代。印刷物ひとつ、催し物ひとつに人々が熱狂しているのが手に取るようにわかる。キャラメルにチョコレート。日本の全国民が食べたことない味を、森永がどのように広めていったのか。明治、大正、昭和、3度の戦争を乗り越えながら想像され、この時代まで生き残ったアーカイブたちに敬意を払いつつ。ひとつひとつのストーリーを、是非ご覧いただきたい。