本号では、今年で全線開通80周年を迎えたJR飯田線について特集します。1937(昭和12)年8月20日をもって豊川鉄道(豊橋~大海間)・鳳来寺鉄道(大海~三河川合間)・三信鉄道(三河川合~天竜峡間)・伊那電車軌道(天竜峡~辰野間)の4事業者により結ばれた豊橋~辰野間は全線が電化路線で早くから電車が運行されていました。そして1943(昭和18)年の買収・国有化に伴い、豊橋~辰野間は「飯田線」と名乗ることになります。その後も、1955(昭和30)年の佐久間ダム建設に伴う線路の付け替えなど、急峻な天竜川沿いを行く路線ならではの数々のエピソードが現在に至るまで語り継がれています。飯田線を行き交う車輌も、ひと昔前は「旧型国電のメッカ」として知られていたほど、“流電”ことクモハ52をはじめとする多数の旧型国電が集結していたほか、JR化後もED62牽引の貨物列車や、ED18・EF58が牽引する“トロッコ列車”などがファンからの熱い視線を浴びてきました。そこで、全線開通した1937年8月20日から80年後の8月発売号として、飯田線の成り立ちから現在までを数々の貴重な写真とともに振り返ります。
〈一般記事〉・1980(昭和55)年に登場し、現在も活躍する小田急電鉄のロマンスカーLSE(7000形)について、喜多見検車区で現車取材を行い、東海道本線で実施された試験走行などの過去の写真を織り交ぜつつ、現況をレポートしています。・JR発足後間もない1990(平成2)年から2000(平成12)年にかけて製造された、JR東日本の気動車キハ100・110系に関する連載記事を掲載開始します。第1回目となる本号では、キハ100・110系のあらましや増備車の主要設計変更点などを整理し、各グループの形式写真を一挙掲載しています。・本誌405・406号では現存する事業用車について、それぞれの概要を説明しましたが、過去の代表的な事業用車についての解説記事を2号連続で掲載します。本号では、36輌が改造されたクモヤ90や1950(昭和25)年に当時の最高速度175km/hを記録したクモヤ93をはじめとする直流電車の事業用車をまとめています。・誌上グラフRM Galleryでは、「碓氷残影 ―廃止20年、思い出の横軽―」と題して、今年で廃止20年を迎える信越本線横川―軽井沢間をテーマとした作品を掲載しています。
〈今月の連載記事〉・「続・名峰へのプロローグ」第8回は、特集との連動企画「中央アルプス山麓を走った飯田線の車輌たち」。徳永カメラマンの洒脱なエッセイとともに、名峰の山容をお楽しみください。・「最盛期の国鉄車輌」では、9600形蒸気機関車の章の第3回目となります。4次型・5次型の詳細を多数の写真とともに解説します。
〈新車紹介記事など〉・新車紹介記事として、JR東日本E235系量産車・京王電鉄5000系・伊豆急行“THE ROYAL EXPRESS”を収録しています。・資料として、JR東日本E235系量産車の車輌諸元・サハE235-500形式図および京王電鉄5000系主要諸元を掲載しています。
☆別冊付録☆「中小私鉄・第三セクター鉄道 最新版列車運行図表2017 電化路線編」〈収録鉄道事業者一覧〉福島交通・野岩鉄道・上毛電気鉄道・上信電鉄・流鉄・江ノ島電鉄・長野電鉄・アルピコ交通・関西電力・万葉線・富山ライトレール・えちぜん鉄道・岳南電車・遠州鉄道・愛知環状鉄道・愛知高速交通・三岐鉄道・和歌山電鐵・水間鉄道・高松琴平電気鉄道・秩父鉄道(貨物鉄道運転時刻表のみ)