9月発売号では、鉄道の「峠道」と補機仕業を特集します。惜しまれつつも1997年に廃止された旧信越本線横川―軽井沢間をはじめ、奥羽本線の「板谷峠」や山陽本線瀬野―八本松間の通称「セノハチ」など、急勾配区間は古くからファンに注目されてきました。なかにはEF59やEF63、EF71などの専用機関車が製造され、補機仕業に充当されてきた区間もあります。そこで本号では、国鉄・JR線ならびに関連三セク路線について、日本全国の「峠」の現況をまとめるほか、「峠越えのスーパーインデックス」として主要勾配区間のサミット標高や最急勾配の‰値などの一覧表、また補機仕業の一覧表を収録します。 また、現在も後補機仕業が設定されている「セノハチ」について、現在の運用状況や撮影スポットガイド、そして今年3月のダイヤ改正で行先が大幅に拡大された、新日鐵住金八幡製鉄所から出荷される150mレール輸送列車(8090レ~8091レなど)について、ダイヤ改正後の運転実績をまとめています。なお150mレール輸送列車は不定期列車ながら、コンテナ編成列車以外では「セノハチ」で後補機を連結する唯一の例となっており、さまざまな機関車の組み合わせが実現しています。・一般記事 巻頭の「RM Gallery」では、「落日の115系新潟車 ―沿線の四季を行く光景に魅かれて―」と題して、新潟車両センター所属の115系電車をテーマとした作品を掲載しています。前号でも解説記事を掲載しましたが、E129系電車への置換えが進み、徐々に運用範囲を狭めている115系電車。その最後の活躍ぶりを捉えた誌上ギャラリーです。 また、この9月には〈信州カシオペアクルーズ〉として唯一のEF64 0番代機である37号機がE26系客車を牽引して上野~長野間を往復しました。E26系がEF64 0番代機に牽引されるのも、そして中央本線・篠ノ井線に入線するのも初のこととなります。25‰の勾配に挑んだその模様を、写真でお楽しみください。 そしてJR東日本のクルーズトレイン、E001形“TRAIN SUITE 四季島”について、川崎重工業兵庫工場内で撮影したカットや主要諸元のほか、同工場で落成した7輌について海側・山側の両側面をすべて掲載しています。模型製作の際の参考資料ともなるでしょう。 一方、JR西日本のクルーズトレイン、87系“TWILIGHT EXPRESS 瑞風”についても両先頭車が落成し、4輌編成を組んで後藤総合車両所本所に輸送されて試運転の準備が進められています。その模様も併せてレポートします。 ところで、都内に“50年選手”の通勤電車が活躍しているのをご存知でしょうか。東急7700系がそれで、多摩川線・池上線で運用されています。いぶし銀のその姿を印象的にとらえたグラフ記事も掲載しています。 そしてところ変わって、中華人民共和国新疆ウイグル自治区で現在も稼働している蒸気機関車のルポも掲載しています。大陸ならではのスケール感のある光景を行く現役蒸気機関車の姿をお楽しみください。・今月の連載記事「今日も空鉄」では、「谷間ハ天気晴朗ナレドモ風強シ」と題して、本号の特集にちなみ小海線の鳥瞰写真を掲載します。小淵沢を出発して最初に列車が挑む大築堤や、JR線では最高所地点となる標高1,375mを通る小海線は、空から見るとどのように見えるのでしょうか。どうぞお手に取ってお確かめください。 「ガイドブック 最盛期の国鉄車輌」では、蒸気機関車C59形の項が開始となります。第1回目となる本号掲載分では、C59が登場した背景などを論じるほか、1次型(1~78・81~100)の解説を行います。・新車紹介記事など JR九州の交流架線式蓄電池電車、BEC819系「DENCHA」の概要紹介記事のほか、東京メトロ日比谷線用新型車輌13000系、一畑電車7000系を掲載しています。また、8月22日から運行を開始した高崎車両センター所属211系のリニューアル編成について概要を紹介するほか、あいの風とやま鉄道のイベント列車、413系“とやま絵巻”を紹介します。 また、資料編として鹿児島市交通局の列車運行図表と車輌図鑑も収録しています。