メルセデス・ベンツのスローガンとして知られる言葉、「最善か無か」。一時は、このスローガンを捨ててコストダウンに走ったとも言われたが、近年は再びこの標語を揚げ直し、汚名返上に勤しんできた。しかし考えてみれば、このモットー自体が現代にそぐわないものとも思える。ロールスロイスの「世界最高の自動車」と同じで、自動車が富裕層の贅沢品であった頃に生まれた言葉なのであろう。その頃は、コストを度外視して最高の品質を追求しつくすことが正義であった、時代との乖離を考えさせられる例といえば、W140型Sクラスのことを思い浮かべると良い。「最善か無か」の最後の例として捉えられるこのモデルは、その巨大さ(車体だけでなくエンジンも)から“環境破壊車”のレッテルを貼られ、色々な非難を浴びたものである。何が「最善」であるかは、自動車としても様々な角度から考えねばならないのだ。「最善か無か」、このモットー自体が花形であった時代、そこから外れ始めた時代のメルセデスを模型で振り返ってみよう。
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